ペットロスに寄り添う部屋「Remember me」の~「連載」ペットロスを支える人 たち~に、真珠葬が紹介されました。

ペットロスに寄り添う部屋「Remember me」の~「連載」ペットロスを支える人たち~に、真珠葬が紹介されました。

3人の偶然の出会いから誕生

旅立ったペットの遺骨が真珠になって生まれ変わる。

ウービィー株式会社が提供する「真珠葬」は、青い海に囲まれた長崎県五島列島に浮かぶ小さな島・奈留島(なるしま)に生息するアコヤガイに遺骨を託し、1年~1年半かけて真珠に育てて、飼い主さんの元に届けるというもの。2019年にスタートし、2025年までにのべ100人以上の飼い主さんが参加しています。

天然のアコヤガイが生息する奈留島の青い海で育まれた真珠「虹の守珠(にじのもりだま)」

ウービィー株式会社の代表・増田智江さんによると、真珠葬の誕生は「とある偶然の出会い」から始まったそう。実は増田さんも子どものころから20年近く、ペットロスに苦しんだ当事者の1人でした。

「奈留島の大きなアコヤガイから直径10㎜以上の大きな真珠を作る名人がいると友人から聞き、多賀眞珠の代表・清水多賀夫さんに会いに行ったのがきっかけです。」

その日の夜、増田さんと清水さんが食事に出かけた居酒屋に、長崎大学総合生産科学域(水産学系)教授 ・松下吉樹先生がたまたまいらっしゃって、3人で食事をすることに。

その席で、“アコヤガイが受け入れてくれれば何でも真珠になるよ”と清水さんが話され、松下先生が“ウチの犬の骨も真珠になりますか?”と何気なく聞かれたといいます。

当時松下先生は愛犬のジャック・ラッセル・テリアのランちゃん(享年10才)を悪性リンパ腫で亡くしてから2年ほど経っていましたが、まだペットロスの真っただ中。日本中の名医を訪ねた必死の治療も、「ランをいたずらに苦しめただけだったのではないか」と悔やむ気持ちに向き合っていたところでした。増田さんは、「そのとき、私のペットロスもよみがえってきました。小学生のころ、外飼いの愛犬がフィラリアにかかって安楽死に。動物の死と向き合うことが怖くて、愛犬の最期を見送ることもできず、その後20年近く、犬や猫が大好きなのに飼うことができませんでした。松下先生の発した問いに感化され、ペットの遺骨から真珠を作るチャレンジを始めようと思ったのです」

失敗続きの2年間

増田さんは、まず松下先生の愛犬ランちゃんの遺骨をアコヤガイに入れる(核入れ)「ペット真珠」の試験をスタート。1回目はアコヤガイが中に入った骨を粉々に砕いてしまって失敗。次は遺骨を薄く樹脂でコーティングをして入れたところ、骨のとがった部分が貝の身を突き破ってしまって失敗。そもそも核入れができるのは、海水温が18度程度の春と秋のそれぞれ約2カ月間のみ。チャレンジできる回数が少ないうえに、3人のスケジュールを合わせて奈留島に集まること自体、苦労を要したといいます。

次に樹脂コーティングに丸みをつけたら核が大きくなってしまい、核入れに必要な専用の器具の開発まで試したそうです。松下先生は、遺骨の核を識別できるよう、遺骨といっしょに樹脂に入れる生き物にも安全なICチップを輸入。アコヤガイが核を吐き出しても海中に落ちないよう、NASAの火星探査機のエアバッグにも使われた素材で、小さな網目の保護ケースを考案するなど奔走。約2年の歳月をかけ、ようやくランちゃんの真珠が誕生しました。

アコヤガイから真珠を採り出し、先生の手のひらに「ほ~ら、ランちゃんだよ」と置いた瞬間、先生は涙ぐんで微笑み、「おかえり」とつぶやいたのです。増田さんは、そのときのことを今でも強烈に覚えているそう。

「私も泣きました。同時に“これで救われる人がきっといる!”と確信し、この真珠づくりを本格始動させようと決意したのです」

ランちゃんの遺骨から誕生した真珠を手に、笑顔の松下先生

真珠ができるまでの、丁寧なやり取りも好評

真珠を生み出すアコヤガイに託した愛犬や愛猫の遺骨が、1年~1年半の歳月を経て10㎜前後の大きな真珠「虹の守珠(にじのもりだま)」として生まれ変わる真珠葬。ウービィー株式会社代表の増田智江さんは、愛犬や愛猫の遺骨をお預かりするところからスタートする飼い主様との丁寧なやり取りを、とても大切に考えているといいます。

「お申込みのご連絡をいただきましたら、まずはお電話をいたします。お電話で免責事項などのご説明をさせていただき、その後、小さなお骨を12個入れる箱をお送りします。当社に届いたらLINEを通じて開封の様子を動画でお送りします。お電話の際、ほぼ全員の飼い主さんが泣いていらっしゃいますね……。その後は、お骨とICチップを樹脂でコーティングした ―「虹守核(にじもりかく)」― が完成したとき、長崎県・五島列島の奈留島に到着したとき、アコヤガイに核入れをしたとき、貝を海に入れたとき、貝がより大きく成長するよう別の養殖場に引っ越したときなど、一連の様子を写真や動画で随時ご報告します。その間も飼い主さんとメッセージのやり取りをさせていただくのですが、悲しい気持ちから徐々に待ち遠しい気持ちへと変化なさっていく様子がうれしくて……。おひとりおひとりとやり取りを行うため、責任重大だなぁと思ったこともありましたが、「虹の守珠」が誕生するまでの約1年間は、飼い主さんが悲しみを癒すための時間になっていると感じており、真珠葬においても大切な時間だと考えています」。

お骨と個体識別用のICチップを樹脂でコーティングした「虹守核」

「虹守核」が奈留島に到着したときの、報告写真

愛犬や愛猫が亡き後も、してあげられることがある喜び

真珠葬では、12個のお骨をお預かりして、2珠以上の「虹の守珠」をお渡しすると約束しています。

「通常、真珠は8~9㎜が大玉といわれますが、虹の守珠にはお骨とICチップが入るため、10㎜前後の真珠になります。大きいので、アコヤガイが虹守核を吐き出してしまうこともありますが、その場合にはお約束の2珠以上ができるまで何度でも核入れをします」(増田さん)。

「虹守核」をアコヤガイに入れる様子。直径10㎜以上の大きな真珠を生み出せるのも、多賀眞珠・清水多賀夫さんの技術力があってこそ。

「虹の守珠」の誕生シーズンには、奈留島へお迎えに行く飼い主さんが多いといいます。お迎えに行けない場合は、誕生の様子を撮影した動画などが配信されるそうです。
「ご自身の手で「虹の守珠」を取り上げた瞬間、“おかえり”“待ってたよ”“よくがんばったね”と、みなさんそうおっしゃいます。みなさんもこの一年を頑張って乗り切ったのだと思います。晴れやかで優しい本当にいい笑顔をしていらっしゃいます。そして、色や形をよ~く観察して、意味を見出していくんです。たとえば、真ん丸ではない「虹の守珠」を見て、“この子はやんちゃだったから……”とか、一カ所、核が見えている「虹の守珠」を手にした飼い主さんは“この子はずっと私のことを見ていたから、絶対に最初に私を見ようと思って、一カ所だけ見えるようにしてきたんだと思うの”とか。ひとつひとつにストーリーがあるんですよね」と増田さんは話します。

「おかえり」の瞬間。晴れやかな笑顔の飼い主さん

「愛犬や愛猫が亡くなった後、その子のための楽しいできごとって無いですよね。ある飼い主さんが“この子のためにやり尽くしたと思っていたけど、まだできることがあった”と喜んでくださったんです。亡くなったときの最後の悲しい記憶が、奈留島で「虹の守珠」を取りあげ、みんなで笑顔で喜んだ記憶に変わったら、飼い主さんの人生にとってものすごく価値のあることなんじゃないか。私は、愛犬や愛猫を亡くした飼い主さんの悲しみのループを止めたかったんです。私自身がそのループにずっとはまっていましたから……」。

虹の橋を渡った愛しい存在の再誕生を祝う真珠葬は、飼い主さんの悲しみを癒す新しいカタチなのかもしれません。