2022年11月12日(いいわんにゃんの日)に開催した「奈留島で感謝祭~海とアコヤガイへ感謝を込めて~」の動画(ショートヴァージョン)とレポートが完成しました。
・動画はこちらからご覧ください☞ https://youtu.be/aTRbVOXRuzQ
【真珠葬】
虹 の 守 珠
その可能性と私たちの探索2022
はじめに
私たちは、これまでに70匹を超えるわんちゃん、ねこちゃんのお骨をお預かりしてきました。
真珠葬は、ペットの供養のひとつとして「真珠」を作る、ということだけではありません。ペットをなくした悲しみの思い出がやさしい、あたたかい思い出に変わっていく時間を提供するための取り組みでもあります。
美しく、時には厳しい顔を持つ海、その海に囲まれた奈留島、生態系を育むアコヤガイ、最新のテクノロジーなど、ひとつ欠けても成り立つことができない奇跡のつながりの中で、ゆっくりと、それぞれの人の心に、かけがえのない“何か”がみえてくるのです。それを光と言ってよいなら、ほんとうにやさしい、それぞれの心の色をした光がともる、その瞬間をご一緒しています。
本レポートでは、ひとりでも多くの、真珠葬を必要とする方に知っていただきたいことを、『奈留島で感謝祭~海とアコヤガイへ感謝を込めて』の開催概要とともに報告いたします。
ウービィーの思い
「共感し、時間をかけて、 “光“ を灯す旅をする」
ペットロスとはペットをなくした飼い主の体験自体やそれによる悲しみのことを指します。ペットロスのとき、 私たちは悲しみ、怒り、罪悪感、抑うつなどの感情に陥ってしまいます。またペットをなくしてから体調や気持ちの面で現れた不調の期間として1ヵ月未満の方は46.2%、一方1ヶ月 〜1年以上と長期間の不調を回答した方は、41.1%となっています。ペットロスを経験した人の約2割が、「犬や猫とお別れした経験を持つ人と悲しみを共有すること」がペットロスの克服あるいは悲しみを癒すきっかけになると言っています(出所:アイペット損害保険株式会社2016年アンケート調査)。
真珠葬は、最愛のペットをなくした後に、飼い主が人としてよりよく生きていく「ウェルビーイング」をアコヤガイと海の自然の力を借りて手助けする唯一のサービスであると自負しています。ウェルビーイングとは身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念です。
私たちはお骨をお預かりに伺った際に、飼い主様からたくさんの思い出を、たとえば楽しかったことだけでなく 後悔したことも含めて、お話しをお聞きします。飼い主様の思いをスタッフで共有し共感するのです。真珠葬をおやりになると決めたところから、時間をかけて答えをみつけるプロセスがスタートします。
天然の真珠づくりは、自然が相手。アコヤガイのお母さんはご機嫌が悪いと、真珠になる予定の核を海に吐き出してしまうこともあり、順風満帆にはいきません。試練も乗り越え、約1年かけて真珠になっていくのです。そのプロセスごとに、アコヤガイや、奈留島の海のことをメッセージや映像で飼い主様のもとに届けます。その間飼い主様のほとんどの方の心境に変化が訪れるといいます。
「僕の愛犬の遺骨で真珠を作ってくれませんか?」
開発者の一人であり、また自身も愛犬を亡くして間もなかった長崎大学水産・環境科学総合研究科松下吉樹教授のこんな一言から、「虹の守珠」は生まれました。大玉のアコヤ真珠養殖について世界最高級の技術を誇る多賀眞珠の清水さん、犬好きの水産科学者の松下教授、動物たちを愛し、彼らと彼らを愛する人たちのための事業をいつか行いたいと考えていた増田が化学反応を起こして、このプロジェクトが始まりました。「虹の守珠」の開発にあたっては、通常の養殖にはない難しさや課題もありましたが、五島列島 奈留島の豊かな海、専門家の知識と創意工夫、高い技術によって可能になりました。いまでは地域活性や海の環境保全も含めた取り組みとして多くの方のご協力のもと、動きだしています。
どの一珠も、二つとして同じものはない。それぞれが違う形、違う輝きを持っています。どれもが最愛のペットの個性そのままのようで、飼い主にとってはかけがえのない宝になります。 「虹の守珠」と再会するとき、ほとんどすべての飼い主が心に幸福を蘇らせ、自らの新しい時間を過ごすことができるようになっています。
私たちは、美しい奈留島の自然の力を借りて、ひとりでも多くの方がペットロスの暗闇から抜け出せるよう、お手伝いをしてまいります。
奈留島で感謝祭 ~海とアコヤガイへ感謝を込めて〜
開催概要
日 時:2022年11月12日(土)いいわんにゃんの日
場 所:多賀眞珠(〒853-2201 長崎県五島市奈留町浦731−7)ほか
参加者:46人(うち真珠葬”卒業生” 14人)
目 的:
◆採苗&放流活動をおこない、奈留島に生息する野生のアコヤガイ資源の維持増大をはかる為。
◆有名アーティストによる無料ライブを開催して、島外からの来島者の増加と島 内の方との交流を図り、奈留島を盛り上げる為。
プログラム:
10:30~
感謝祭開催の背景、真珠葬について説明
多賀眞珠清水多賀夫代表、長崎大学水産・環境科学総合研究科松下
吉樹教授、EPOさん、宮川雅彦さん紹介
10:45~
第1部
清水代表、松下教授のお話し、アコヤガイ放流、ランチ&インタビー
13:15~
第2部
うたいかたり「静かな祈り」(出演 EPO/宮川雅彦)
14:00~
ウービィー株式会社 代表増田智江より閉会挨拶
14:30
終了
○ 第1部でお話しいただいた内容の一部を抜粋してご紹介します。
ー長崎大学松下教授「天然採苗の資源保護効果」について ー
アコヤガイは貝殻をつくるために炭素を固定するので、地球温暖化の緩和に貢献していますが,資源は減っています。アコヤガイの多くは生まれて着底するまでの1カ月くらいの間に死んでしまいます。人間が海中に置く採苗ネットは彼らの棲み処を増やし、守ることにつながっています。
-多賀眞珠代表 清水多賀夫さん 「五島灘の天然アコヤガイへのこだわり」について
「かつては杉の枝を夏の間海につけて、アコヤガイの赤ちゃんが杉の枝の間にとどまるように(着底するように)していました。今は杉の枝に似せた網を使っています。この網にはアコヤガイだけでなく、いろいろな生物が一緒に住みついています。天然のアコヤガイで赤ちゃん貝を集め真珠作りをしているのは、今では奈留島だけです。赤ちゃんアコヤガイはプランクトンを食べながら、約2年かけて真珠を作れるまでに成長します。
参 加 者 の 声
東京都 Aさん
アコヤガイの生態の話をお聞きしました。それを理解して、意味を解釈し、真珠葬が自分のためだけでなく、自然に対しても良いことをしているのだと理解しました。
東京都 Bさん
説明のしようがありません。あまりにもきれいな海での体験、EPOさんの歌が幻想的だったこと、ずっと号泣していました。誰でもない“個“である自分になっていました。奈留島への感謝でいっぱいです。参加した方とは初対面でしたが、同じ感情を持っている人ということで、お互いの話を細かくしなくても共感しあえる不思議な出会いでした。
東京都 Cさん
ペットを亡くした悲しみは癒えない。それは絶対に癒えないものなのですが、なにか暖かいものの積み重ねがたくさんあった1日でした。癒えるというのとは違いますが、感謝とありがとうと言う気持ちしか今はありません。奈留島という自然環境、企画してくれたスタッフの皆さん全て、なくなってしまったにゃんこやワンコに、本当に感謝とありがとうの気持ちしかないです。なくなってしまったや犬や猫とここに旅に来たような気持ちです。思いっきり思い出してもいい日、思い出せる日、です。虹の守珠の「光」が心にぽっと灯っている感じです
神奈川県 Dさん
今生きている時がキラキラする、だから生きていける、と思えるようになりました。今いるわんこやにゃんこがさらに愛おしい存在になり、ありがとうの深さが深くなったように思います。父を失って、その死を受け入れることができるようになったし、自分を責めなくていいと思えるようになりました。卒業生として、必要な人に広がっていくことを応援したいです。
静岡県 Eさん
心の琴線にここまで触れると思っていなかったです。アコヤガイの放流が命をつなげるお手伝いになることだと知りました。そしてなくしたペットと一緒にコンサートを聴くことができたと思います。一緒に参加した卒業生とともに泣いて、日頃の生活での怒りや煩わしさも含めたすべての感情を浄化できた気がします。愛するペットだけでなく、愛する人を失った人には時計が止まってしまいます。二度と動かないと思っていた針が動き出したような感じで、そこからさらに行動範囲が広がり、人と出会い、生きていく次のステップに入っていけた気がします。胸に虹の守珠の真珠をつけて。
栃木県 Fさん
LINEがとてもたくさん来るんです。今、母貝の場所を移しましたよ、とか、きれいな夕陽とか。時々の奈留島のおいしい食べ物の情報もあって、クスっとさせられたりもしました。「里帰りしにおいで」と言っていただいたきれいな海で、アコヤガイの放流でSDGsにも貢献しているんだと思いました。個人ではまったく関われないSDGsに関われたことも嬉しかったです。
取材に訪れた記者 Gさん
この場所に来てはじめて、真珠葬を理解できた気がします。これは商売ではなく、必要な人に伝えなくてはいけないものだと思います。
奈留島で感謝祭~海とアコヤガイへ感謝を込めて
第1部 登壇者
清水多賀夫(しみず たかお) さん
長崎県五島列島奈留島にある真珠養殖場「多賀眞珠」代表
「真珠の島」として名高い志摩半島 賢島で代々真珠養殖を営んできた家の出身。1990年代半ば、ウィルス感染症が広がり、各地の日本産アコヤガイによる真珠養殖が大打撃を受け、ウィルス感染以降、外国産との交雑種が養殖の主流となった中、奈留島の海には、日本産アコヤガイの天然稚貝が豊富にいることがわかり、2003年に賢島を離れ奈留島へ渡る。以来、奈留島に養殖場を構え、天然採取の日本産アコヤガイにこだわった大玉真珠を手がけている。一般的なアコヤ真珠(7~8mm)をはるかに超え、11~14mmにもなる多賀眞珠の大玉真珠は、世界中の真珠ファンに愛されている。
松下 吉樹(まつした よしき) 教授
長崎大学大学院水産・環境科学 総合研究科教授、博士(水産学)
日本水産工学会副会長、長崎県南部海区漁業調整委員、長崎県海面利用協議会会長代理
1963年 和歌山県生まれ
1986年 東京水産大学卒業、水産庁水産工学研究所勤務
2006年 長崎大学水産学部助教授
2007年 日本水産学会水産学技術賞受賞
2013年 長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科教授(現在に至る)
専門は漁具などの漁業生産工学だが、水産業の人材育成、地域振興にも取り組み、その縁から真珠葬に協力。「虹の守珠」第1号は愛犬のラン(ジャックラッセルテリア)、今も犬と猫を飼育。
奈留島で感謝祭~海とアコヤガイへ感謝を込めて
第2部 うたいかたり「静かな祈り」出演者
EPO(エポ) さん
歌手/ソングライター/セラピスト
公式HP http://www.eponica.net
facebookページ https://www.facebook.com/EPO.eponica
1980年『DOWN TOWN』でデビュー。『おれたちひょうきん族』のエンディングテーマ『土曜の夜はパラダイス』、『う•ふ•ふ•ふ』、『音楽のような風』など、数々のヒット曲を発表。
1988年渡英。ヴァージンUKと契約。海外で活動。帰国後、POPSから等身大のEPOを表現させた癒し系作品が幅広い年齢層より注目を集める。
現在、『声』という楽器を通じ、LIVEを中心にホールコンサート、胎教LIVE、お寺、病院、ホスピスなどユニークな音楽活動を展開中。2017年沖縄県南部にある鍾乳洞ガンガラーの谷で行われたライブの模様を収めたDVD+CDアルバム「EPO AQUANOME LIVE at VALLEY of GANGALA in OKINAWA」をリリース。2023年3月、デビュー43周年を迎える今も現在進行形で精力的な活動を続けている。
宮川雅彦(みやかわ まさひこ) さん
俳優/演出家/劇作家/セラピスト
1960年東京都出身。
玉川大学文学部芸術学科演劇専攻卒(現パフォーミングアーツ学科)。
文学座付属演劇研究所、劇団こまつ座を経て現在エポニカレコード所属。
現代劇、時代劇、悲劇、喜劇、前衛劇、歌舞伎、大衆演劇、コント、ミュージカルに至るまでジャンルを問わず広く活動。
2002年9月「路地裏の楽園」(主演:すまけい)で、俳優に加えて、作、演出を手がける。
2005年よりシンガーソングライターEPOと共に始めた、音楽と語りが織りな「うたいかたり」は独特の世界を表現し好評を博し、その中の1シーンである「光になった馬。〜たったひとつの〜」がCDブックとして出版された。2011年よりもう一つの拠点として活動している沖縄で「うたいかたり」の進化系「Petit Foir(プチフール)」を初演。
2016年1月沖縄県MICE委託事業、ガンガラーの谷での新しいエンターティンメントショーの創造を依頼され「五感+αで感じる太古へのイマジネーションツアー」の総合プロデュースを務める。
2007年〜2010年生体エネルギーに働きかける代替医療を学ぶためアメリカにある単科大学BBSHに留学、俳優の仕事と並行してセラピストとしての活動にも力をそそいでいる。
む す び
「真珠葬」は、大切な小さな家族を失って、心が壊れてしまいそうな方のために在るものと思って静かに始まりました。お客様のお声を聴きながら、柔軟に変化を続け今に至ります。
新型コロナウィルスによる行動制限のある時代に生まれながら、たくさんのご家族が「虹の守珠」の誕生に合わせ奈留島へ迎えに来てくださいました。今では、アコヤガイへの核入れやお掃除の時に奈留島へ来てくださる方も増えてきました。
虹の守珠が誕生し、真珠葬を卒業した方々から「同窓会をしたい」というお声をいただき、感謝祭は開催 されたものです。
感謝祭では、亡くなったペットが繋いだ縁で集まった方々が、すぐに打ち解け、共に笑い、泣き、同じ感謝の気持ちで一日を過ごしました。私たちは「心」で「奈留島」で、繋がっているのだと、一人ではないのだと実感しました。ペットロスという出口の見えない苦しみのなかにいらっしゃる方に、その子が繋ぐ新しい縁があるということを 知っていただき、心の安らぎにしていただけたらと願っております。
感謝祭にご協力いただきました五島市役所のみなさん、奈留島のみなさん、EPOさん、宮川雅彦さん、多賀眞珠清水さん、長崎大学松下教授、そして集ってくださった卒業生のみなさん、取材くださったメディアのみなさんに心より感謝申し上げます。人の優しさ、自然の豊かさを大切に「真珠葬」は今後も歩んでいきたいと思っています。
また、この度、卒業生から手元に残したお骨の「海洋散骨」のご依頼がありました。今年は奈留島で真珠葬プロデュースのペットのための散骨を提供したいと検討を始めています。これからも「真珠葬」を温かく見守っていただけますよう、心よりお願いいたします。
イベントでは参加者の方とアコヤガイの成貝を放流しました。放流したアコヤガイが卵を産み次世代を紡ぐことで、奈留島のアコヤガイ資源がより豊かになることを期待しています。私たちは島の方々,海に生きる方々と一緒に、奈留島の海の豊かさを維持し、生態系のあるべきバランスを保つためにできることは何かを考え続けたいと思っています。そしてそれが島の復興にもつながればと考えています。(ウービィー代表 増田智江、イベント後のインタビューより抜粋 )
※感謝祭の模様は動画でもご視聴いただけます。
沿 革
2017年 1月 「ペットの遺骨から真珠を作る」プロジェクト開始
2018年 9月 商標「真珠葬」「虹の守珠」取得
2018年10月 平成30年度長崎県五島市 特定有人国境離島地域社会維持推進
交付金雇用機会拡充支援事業採択
2018年11月 真珠葬 第1回目核入れ
2019年 2月 真珠葬ホームページOPEN
奈留島オフィスOPEN(2.21)
2019年 7月 真珠葬ショートムービー「ヨミガエル」撮影開始
2020年 8月 「虹の守珠」サイトOPEN
2020年11月 「エンディング産業展」出展 (於:東京ビッグサイト)
2021年10月 「ゆりかごペンダント」企画製作
2021年12月 特許
「ペットの遺骨を入れた真珠の製造方法及びメモリアル真珠」取得
2022年 1月 真珠葬ショートムービー「ヨミガエル」公開
世田谷オフィスOPEN
2022年 3月 「インターペット2022」出展 (於:東京ビッグサイト)
オリジナル絵本「at the bridge ~虹の橋~」製作
2022年 6月 第1回稚貝取りネット設置
2022年10月 五島市ふるさと納税に採択
2022年11月 「奈留島で感謝祭~海とアコヤガイに感謝を込めて」開催
(第1回アコヤガイ放流)
2022年12月 第1回稚貝採集
【公式サイト】
真珠葬(真珠葬について) 虹の守珠(体験者の声)
http://shinjusou.jp http://moridama.jp
【公式SNS】
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【YouTube】