2022年6月19日 FM沖縄『EPO 風と海と空と』(毎週日曜日9:30~10:00放送)で、アーティスト EPOさんが体験した【真珠葬】について、お話ししてくださいました。
(※以下、番組内からコメントを抜粋しました。)
生後9ヶ月で亡くなった猫のテトちゃんのお骨を真珠の核にして、真珠として再生させ、供養するプロジェクト、〈真珠葬〉を再び体験してきました。
長崎県五島列島の中の美しい島、「奈留島」の海に育てられたテトちゃんをお迎えにいってきましたよ。
今回もそれはそれは、神聖な時間でしたよ。
番組を聴いてくださっているみなさんのなかにも、家族だった犬や猫、鳥を亡くされた経験をお持ちの方、本当に多いと思います。
荼毘に付した後、お骨は骨壷の中に収められますが、それは、お家の中でどのようにしていますか?お寺によっては、永代供養料を払えば、ずっと供養してくれるところもありますが、 私たちは、遺骨をずっと家に置いていていました。
家の中にある小さな骨壷。その骨壷を眺めていても、抱きしめても、彼らを失った、私の悲しみは、決して消えることはありませんでした。
いわゆるペットロスに陥った私。周囲に明るく振る舞いながらも、晴れることのない曇った心の空の下で、彼らを失った悲しみをずっと抱えていました。それは、申し訳ないけど、実の親との別れよりも悲しかった。思い出しても、すぐに泣けるぐらい、辛い別れでした。
あんなに楽しい日々を一緒に過ごしていたのに。
ずっと、こういう時が続くと思っていたのに。
彼らは、私たちよりも、早く死んでしまうことがわかっていても、ある日、お別れの時は突然やってきます。そして、その瞬間が訪れたとき、私たちの時間は、その日から止まってしまいました。
もっと、かまってあげればよかった。
もっと、甘えさせてあげればよかった。
もっと、可愛がっておけばよかった。
もっと、何かをしてあげられたんじゃないか?
そんなふうに後悔と喪失感と、悲しみをずっと心の中に抱えたまま、あの頃は、やっと息をしていたように思います。
今回、再び、〈真珠葬〉を体験することによって、私が、ペットロスの悲しみから、どのように立ち直ったのか、今日は、そんなお話をしていこうと思います。
いろんなご葬儀の形がありますね。
樹木葬とか海への散骨とか。そんななか、〈真珠葬〉という葬儀の仕方があるのを 知ったのは、仲良しの友人からの声がけがきっかけでした。
私は、今一緒に暮らしている猫たちを入れると、8匹の猫に恵まれました。
5匹の猫たちのお骨は、葉山と沖縄にそれぞれに残してあります。
「ねえ?EPO?彼らのお骨の一部をあずかってもいい?EPOも知ってるあのこたちが、 ペットのお骨を真珠の核にして、アコヤ貝の中に抱かせて、真珠にして命の再生をするという、〈真珠葬〉というプロジェクトを始めたの。」
そんな連絡をもらったのは、猫のふいちゃんが亡くなったすぐあとでした。
最初は、〈真珠葬〉というのが、どういうものなのか、よく知らなくて、ぼう~っとしたまま、 私は、ふいちゃんのお骨を、彼女に手渡しました。
我が子を長崎の五島列島にある、奈留島の美しい海と、アコヤ母さんに託し、彼らがふたたび、真珠として生まれ直すまでのドラマは本当に感動的でした。
ペットロスになってしまって、悲しい気持ちのなかにいた私ですが、この〈真珠葬〉をきっかけに、一年後、真珠になったふいちゃんやテトちゃんと再会するのを、楽しみにするようになっていたのでした。
綺麗な奈留島の海の中で、ふいちゃんやテトちゃんのお骨を抱く、アコヤ貝には、同じ餌となるものを食べているフジツボや、母貝の成長を妨げる海藻などが付着するそうです。
夏場には、スタッフの人たちが、数週間に一度、ひとつひとつ手作業で貝の表面をきれいにしてくれていたのだそうです。要するに、真珠になるまでの数年、たくさんの人たちの愛情深いケアによって、彼らは生まれ出てくるのだと知って、それにもすごく感動しました。
そして、いよいよお迎えの日がきて、4枚のアコヤ貝と対面です。真珠職人の清水多賀夫さんのアドバイスを受けながら、彼らとの再会の瞬間。
貝の中から、美しい真珠が、ポロっとでてきたときの感動を、私は今でも忘れません。
とっても不思議なことなのですが、彼らのお骨を核にして生まれてきた真珠は、生前のその子の面影を映し出すかのような色や形になります。
耳のようなものがついていたり、尻尾のようなものがついているもの、その子の目の色のような真珠も出てきました。同じものは、ひとつとしてなく、本当に、オンリーワンな色と形ですが、どの真珠も虹の光を宿しています。
そして、全ての真珠が、どれも、10mmは超えるかとおもうほどの大粒の真珠です。その技術を持つ真珠職人の清水多賀夫さん。
今回、私は、友人の愛犬のお骨の核入れもそば で、体験させていただいたのですが、本当に感動の瞬間でした。
私の友達のTちゃん、長崎大学のM教授、そして、真珠職人の清水多賀夫さん、この三人が、ひょんなことから出会って、一緒にお酒を飲んでいた時の話。
清水さんは、天然のアコヤ貝を稚貝から育てて、大玉の真珠を作り出すプロフェッショナルです。この〈真珠葬〉のドラマは、ここから始まります。
ある日、清水さんが、『真珠はね、なんでも、核にして、作ることができるんだよ」。と、言ったんだそうです。
すると、M教授が、『僕の愛犬のお骨も入れられますか?』と聞くと、『できますよ』ということから、実験が始まったんだそうです。
私たちの友人は、この取り組みを形にするために長崎大学で海洋学を学んで、長崎県五島列島の中の小さな島、奈留島で、実験に、実験を重ね、動物のお骨を核にして真珠を作ることに成功するまで、なんと3年の月日がかかったそうです。
なぜ、そんなに大変だったか。それは、相手が自然だから。試行錯誤を繰り返して、ようやく、M教授の愛犬のお骨を真珠に生まれ変わらせることに成功した彼ら。
愛情深くケアされたアコヤ貝のなかから、それはそれは美しい真珠が出てきたといいます。 私たちと同じく、愛犬を失ってペットロスになったM教授の時計は、当時は止まったまま。
でも、数年後に、愛犬が真珠になって生まれ変わってくることを考えているうちに、もういちど真珠になった彼女と再会できる日を楽しみに生きるようになったといいます。
私も、彼女たちの好意でこの体験をさせてもらって思ったのですが、
死んでも、終わりじゃないんだ、
また会えるんだと言うことを本当に信じられるようになりました。
それは、悲しみから、希望、そして未来へと気持ちが変化した瞬間でした。
よく言われることですけれど、
「ペットがなくなると虹の橋を渡る」
そのように表現することがありますね。
そして、彼らは、そこで、わたしたちが来るのをその橋のたもとで、ずっと待っていてくれるのだそうです。
この虹の橋のストーリーも同様に、私たちに、「未来で必ず僕らは会えるんだよ」という希望を想像させてくれます。
私が体験した〈真珠葬〉は、一言で言うと、「救い」「癒し」「ヒーリング」。
悲しみから生まれたとてもポジティブな体験といっていいでしよう。
ご興味のある方は、〈真珠葬〉で、 HPを検索してみてください。愛に溢れる女性スタッフたちの優しい対応が、あなたに心から寄り添ってくれるはずです。
☆てとちゃん、ふいちゃんの誕生の瞬間はこちらから
☞ https://moridama.jp/movies/detail/7
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